■ 建築家とのガレージハウスづくりについて
町田 雑誌を見てると(家を建てるのが)2回目の人は、やっぱりいい家を建てられてますね。1回目で学んだこと、また失敗したことを次に活かされてますよね。
私自身も建築家で家を建てました。2台入るガレージのあるコンクリート打放しの家です。ただ、家の中からガレージに行けなくてね。外からしか行けないのです。建築家自身がクルマ好きという人ではなかったのです。
私自身もいじるほうではなく、飾ってあるのを見るのが好きなほうで、クルマもスペシャルモデルをノーマルのまま乗るのが好きですね。
建築家とガレージハウスを建てる時は、建築家がやはりクルマが好きな人か、もしくは、自分のガレージハウスのイメージをきちんと持っていて、ちゃんと伝えることがポイントになりますね。
石原 あと、設備(特にガレージ系)を理解している人がいいですよね。私たちは仕事柄メーカーさんからも設備の説明を聞く機会が多いです。そして、建築家の方から設備の話を聞くとよくわかっていない方がいますね。逆に、建主のほうがよっぽど詳しかったりしますね。
「GarageLife 」「ガレージのある家」編集長 石原 淳さん |
町田 そうですね。ザウスの建築家の中でも一握りかもしれませんね。1つには、新しい設備が次々と出てくることが理由になるかもしれませんが。ただ、設計を依頼しようと思ったときに、その差は大きいですね。
石原 それと経験ですかね。今までにどのくらいガレージハウスの経験を積んできたかも重要かなと思います。特にガレージハウスの場合は、アプローチとか段差とか結構重要で、だいたいトラブルになるのはアプローチ。取材に伺ったときに、「実はやり直ししました」とよく聞きますね。
町田 確か、フェラーリを地下に置くのに、スロープがうまい具合に擦らずに安心して止められるように緻密に計算されたお住まいを掲載されていましたね。写真で見ましたけど、見ているこっちが擦りそうで怖いぐらいでしたよ。
石原 段差のクリアランスの問題とかは、クルマ好きの方とされたほうがスムーズかもしれませんね。
町田 ローダウンしたクルマを持っている人も多いですもんね。
石原 ノーマルの予定で建てたけど、ローダウンしちゃって入りません、とか。そういったこともありますね。
「ガレージのある家 Vol. 7」で紹介された「宝塚のガレージハウス1・兵庫」 |
町田 建築家の方は元々、個性的で多趣味な人が多いので、クルマも好きな人は好きですよね。そういう意味でも「ガレージのある家」で研究するのは大切ですね。ガレージ部分については特に。
私自身の住まいは、デザイン的にはいいのですが、今にして思えば、中からガレージにアプローチできないし、クルマを見ることも出来ないんですよ。
石原 デザインならどの建築家の方も出来るんですけど。細かなしつらえですよね、大切なのは。建築家に任せておけば安心ってわけじゃないですから。
町田 どこからクルマが見たいですかとか、そういうことは聞かれもしなかったですよ。図面上、カタチはきれいに出来ているんですよ。でも、建ててみたら、家にくっついてはいるけど、ガレージもただのトンネルですよ。出来ればライティングぐらいはこだわりたかったですね。
石原 おそらくクルマのアプローチと車庫に入れてからの出入りと、あと、どこからかクルマを見たいと言ったときの見え方は、クルマ好きの建築家とそうじゃない建築家だと考えが異なるんじゃないかなと僕は思いますね。
町田 そうですね、ザウスの場合は、建築家に加えて、住宅プロデューサーもチェックするので安心できます。建築家と直接するとなかなか気づかないことが結構あるもんですね。
私は、群馬の前橋市で生まれ育ったのですが、群馬の人は、大手の安心感もあってか、住宅メーカーの需要が高いですね。アフターも住宅メーカーなら電話一本で何でもしてくれますしね。ただ、金額の中に、テレビCMなどの高額な宣伝費とかも含まれていると思うと、このデザインでこの値段?って思ってしまうときもありますね。
石原 そこに、ザウスさんの価値が出てきますよね。
町田 ザウスで建築家と建てれば、そんな値段はかからないですよ。デザインの自由度ははるかに高いですし。
石原 住宅メーカーだと企画があるはずなので、デザインに限界はあるでしょうしね。デザイン力と提案力だとザウスさんのほうが魅力ありますね。
町田 ありがとうございます。あと付け加えれば、生活スタイルに精通している建築家を増やすことができれば、バリエーションを増やすことができますね。
例えば、クルマ好きでクルマに精通しているとか、ガーデニング好きで花や樹木に詳しいとかね。そのあたりが住宅メーカーだと難しいですよね。<次ページへ>