大阪市内に佇むこの ガレージハウス は、ご主人は旧車と釣り、奥様の愛車は日産180NXとクルマ好きの建築主の夢を形にした住まいです。ご要望を実現できる土地を探すところからザウスがサポートしスタート。
一定の広さの土地がなかなか市場に出にくいエリアで見つかった約30坪の敷地。しかも、間口に比べて奥に長いという敷地形状。ここにクルマを複数台ビルトインできるガレージと必要な部屋数を予算内で確保できるかを見極めた上でご提案。土地価格や予想の工事費、また準耐火仕様にすることで建ぺい率が増えることのアドバイスも含めて検討し、購入を決断されました。
設計を担当したのは、ザウスでもガレージハウスを手掛けている京都在住の建築家 矢部直輝さん。提案されたプランは、壁や柱が最小限に抑えられ広い空間を確保できる鉄骨造を採用し、3台の車を格納できるビルトインガレージ。さらに、普段使いの車1台をガレージ前に駐車することができ、合計で4台のクルマを所有することができます。1階にはガレージの他にシャワー室と趣味室を配置。特に、釣り好きの建築主にとって、この趣味の部屋は夢のような空間となっています。
2階は、リビング、ダイニング、キッチンなどの生活エリアとしてデザインされています。リビングエリアは、畳の上でリラックスすることを好むオーナーの希望を反映して、フローリングではなく、畳が敷かれています。LDKの中央には天窓が配置され、自然な光がたっぷりと入るように工夫されています。また、高さが変化する勾配天井により、空間に立体感と開放感がもたらされています。
1階から2階へは鉄骨階段を使い、その階段を上がった奥にバルコニーがあります。バルコニーの隣には洗面・洗濯室を配置、家事動線を短くする工夫がされています。
ファサードは、シンプルなデザインですが、外壁に一枚一枚表情のあるセメント板とタイルを組み合わせ、グレー系統で色の統一をしているので、洗練された雰囲気を醸し出しています。2階の外壁は跳ね出し、これによって立体的な意匠としてだけでなく、プライバシーを確保するための目隠しにもなっています。
また、使われている階段、手すり、アプローチなどは鉄工所で造作されており、住まいに合わせたデザインとなっています。この約30坪の敷地で4台のクルマを所有でき、3LDKを確保できた住宅は、広さを求めながらもガレージライフとこだわりを実現したガレージハウスとなりました。
建築概要
構造・規模 | 木造・地上2階建て |
敷地面積 | 102.9m² (約31.1坪) |
建築面積 | 71.2m² (約21.5坪) |
延床面積 | 134.8m² (約40.8坪) |
ガレージ面積 | 32.4m² (約9.8坪) |
施工 | 株式会社山本安工務店 |
撮影 | 平野和司 |