家を建てる/購入する方にとって、とても気になる 「住宅ローン減税(控除)」
これを享受する目的で家を建てる!! という方はいらっしゃらない思いますが、家を建てるタイミングでうまく適用されると非常にありがたく、とても嬉しい税制優遇となります。
そんな住宅ローン減税ですが、これまで最大優遇であった <消費税増税後の拡充措置> を得られたのは 【2021年9月末日までの工事請負契約締結(注文住宅)】 まで。それ以降は優遇制度が無くなるのか!? などと業界をザワつかせていましたが、2021年12月10日に発表された税制改正大綱(自民党・公明党)で、住宅ローン減税の4年間延長が決まりました。
2022年度の減税率は1%から0.7%に縮小されますが、期間は13年間のままとなる予定です。
低金利により、住宅ローン減税の問題が
これまでの住宅ローン減税は、基本的に年末のローン借入残高の1%が13年間(10年間)所得税額から控除され、さらに所得税から控除しきれない場合は住民税からも年136,500円を上限に控除を受けることができました。10〜13年間で合計約400万〜500万円もの税金が控除されるといった、非常に大きな税制優遇制度でした。
しかし、住宅ローンを金利1%未満で借りられているケースが多いため、減税額がローンの支払い利息を上回り、高所得でかつ高額なローンを組める人ほど減税効果が大きくなることが問題となっていました。
こうした流れを受け、今後は減税率が1%から0.7%に引き下げられます。
2022年度以降は省エネ性能がポイント
これまでは、長期優良住宅(などの高性能住宅)か? 一般住宅か? の2段階で減税限度額(5,000万円 or 4,000万円)が変わりましたが、2022年度からは省エネ性能に応じて3,000万円~5,000万円の4段階となります。
カーボンニュートラルを目指す流れに反対するつもりはありませんが、どんなに美しく断熱性能の高い木製サッシをオーダー製作しても 「試験データが無い」 という理由でそこに “無いもの” としてみられ、どんなスカスカな性能の家を建てても屋根にドデカい太陽光パネルを設置するだけで「省エネなZEH住宅です」という住宅の省エネ性能に対する基準や指標がドウダコウダという個人的意見がありますが、今回は割愛します。
年間の減税額については、一般の新築住宅で最大21万円の減税となりますが、省エネ基準適合住宅では最大28万円、ZEH(ゼッチ)は最大31.5万円、認定住宅は最大35万円の減税となります。13年間の最大減税額を合計すると273万円~455万円と、住宅の省エネ性能によっては最大182万円もの差がでます。
また、住民税からの減税額は2021年度の最大13.65万円から、最大9.75万円へ縮小となります。
このように減税上限額が抑えられることで、減税目的で高額な住宅ローンを組むことを防ぎ、また、中間所得層にとってもしっかりと減税メリットが受けられる内容となっているのではないでしょうか。
※ 減税額はそれぞれの家族構成や所得税額によって変わりますので、全ての方が最大減税額を受けられるわけではありません。
住宅ローン減税だけでなく、家を建てる際には様々な減税や給付金、金利優遇、補助金などがあります。せっかくなので賢く建てられるように、我々ザウスを便利にお使いいただけたら幸いです。
参考:令和4年度税制改正大綱
実際の制度内容については、今後確定する情報をご確認ください。
(原田)