先日、愛知県に出張した際、少し足を延ばして岐阜県多治見市に行ってきました。
県はまたがるものの、車で30分もかからない距離感。
多治見市は日本最大のタイル生産を誇ります。
今年ここに『モザイクタイル・ミュージアム』が誕生しました。
設計は藤森照信さん。
一風変わったこの外観・・・。
タイルミュージアムなのにタイル使ってない・・・。
そんな建築主の声が聞こえてきそうですが、この形はタイル原料の採掘地をイメージしているそうです。館内係員の方におしえてもらいました。採掘現場の写真を見ると、確かにこんな感じです。
申し訳程度にタイルの破片が壁に埋め込まれています(笑)
藤森建築の人気は高く、想定入場者数をはるかに超える来場者だそう。
この日も平日に関わらず、老若男女、たくさんの人で賑わっていました。
係員の方によると、タイルを取り巻く環境は厳しいものがあります。
これまでも『ユニットバスの普及』、『外壁サイディングの普及』、『バブル崩壊』、『外壁にタイルを貼った際の剥落試験義務化』などでタイルの需要が大きく減ったんだそうです。
最後の『剥落試験の義務化』とは、マンションなどで外壁にタイルを使用した際、一定の高さ以上に貼ったタイルについて10年ごとに『打診による試験』を行い剥落の恐れがないかチェックするものです。
平成20年に義務化されたのですが、それ以降外壁にタイルが使用されることが激減しました。
タイル生産の窯元も同様に減少の一途をたどっています。
ザウスでもLDKや外壁などでもタイルをよく使用していますが、ほとんどがイタリア産や中国産で国産のものは非常に少ない。
これを機に国産タイルにも目を向けてみようと思いました。