建物巡りをしている私ですが、もともと建築が好きであった訳ではありません。
ハウスメーカーに就職したのも建築やデザインに興味があったからではありません。
振り返ってみても、いつから関心を持ち始めたのか定かではないのですが、始まりは古い洋館や歴史的建造物でした。
今回の旅では山形県にお目当ての建物を訪ねました。
旧山形県庁舎である『文翔館』。大正5年の竣工。
見かけではわかりませんが、レンガ造に石を貼っています。堂々とした佇まい。
屋内も大修復が行われています。
古い建物はとにかく、階段が素晴らしい。とても気合いが入っています。賓客を招く際の見せ場の一つだったのでしょう。
天井をご覧ください。
白い装飾がたくさん見られますが、これは全て左官職人によるコテ細工です。
装飾したものを天井に貼りつけるのではなく、天井に直接漆喰を塗りこめ、形を描いていくという途方もない作業。
修復作業で10年かかったそうです。
もう一つの見せ場がレンガで覆われた中庭。
この建物で使われたレンガは大実業家の渋沢栄一が特注で作らせたものだそうです。それまで使われていたレンガとは格段に質が違うそうです。
建物内を見学していると、ガイドのおじさんが話しかけてこられ、建物の成り立ちや見どころをたくさん教えてくれました。誇らしげに語るその口ぶりに建物への愛情が感じられます。
次の洋館がこちら。
1878年完成の旧済生館本館。もともとは病院として建てられたものです。
この建物の一番の特徴は中庭です。
なんとも贅沢なつくりの病院ですね(笑)。
いまは歴史資料館として使用されています。
この建物も取壊しの危機があったのですが、昭和41年に解体後、移築復元保存を行いました。
その英断に感謝!