さよならホテルオークラ東京

建物探訪

つい先日、東京へ出張しました。

2つの台風が発生していましたので、1週間ほど前からそわそわしていましたが、なんとかそれてくれました。

普通なら延期するのですが、今回は特別に行っておきたい理由がありました。

それは『ホテルオークラ東京』を最後に見ておきたかったためです。(泊まるわけではありません・・・)

このホテルは2015年8月末日をもって閉館、建替えが決まっています。

ホテルオークラ東京は1962年の開業。

建設時のテーマは『日本的建築美の創造』だったそうです。

建築家は谷口吉郎さん。ニューヨーク現代美術館(MOMA)の設計を行った谷口吉生さんのお父さんです。

日本建築の伝統美と現代建築の融合で評価の高い建築家でした。

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日本の紋様やなまこ壁をあしらいつつ、モダンな要素も感じられる外観。

そして有名な空間がこちら。

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天井から吊るされている照明は『オークラ・ランターン』と呼ばれるほど有名になったもの。

他にも日本の伝統的な障子や欄間の指物細工など見るべきものはたくさんあります。

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寄ってみると・・・

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もはやアート!

中2階からロビーを見るとあることに気づきます。

おわかりでしょうか・・・?

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そうです!テーブルと椅子の配置です!

テーブルと椅子を所定の位置に置いたとき、それは梅の花の形になるデザインになっています!

家具デザイナーの長大作さんのデザインです。

このロビーを含め、ホテルオークラ東京は世界中から高い評価を受けていて、以前から保存の要望を訴える運動が起きていました。

例えばファッションデザイナーのマーガレット・ハウエルさんやポール・スミスさん、ヴォッテガ・ベネタのクリエイティヴ・ディレクターのトーマス・マイヤーさんなどなど、ホテルオークラ東京を愛する人たちからたくさんの声があがっています。

が、建替えは決まってしまい、今月いっぱいで閉館。

『日本を瞬時に感じられる空間をもつホテル』が無くなることは大きな損失。

せめて多くの人にその空間を五感に焼き付けてほしいと思います。

今日を含め残り4日。急ぐべし!

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