いよいよ甲子園が始まりました。夏です!夏と言えば、京都御所内にある『京都迎賓館』で毎年一定の期間だけ一般公開が行われます。事前の申込制で、希望多数になると抽選になるそうです。毎年倍率はそこそこあるようで、今年も抽選になったのですが見事当選!というわけで行ってきました!敷地内に入る前に参観証の提示を求められ、その後地下の駐車場で身分証明書の提示と手荷物の金属探知などさすがに厳重なチェックが行われます。日本最大の組織設計事務所である日建設計が5年をかけて設計を行いました。迎賓館は東京にもありますが、そちらはとにかく豪華な洋風迎賓館。それに対し、京都迎賓館は場所柄もあり現代的な和風イメージです。撮影場所が限られていて、外観があまり撮れないので中庭からチラリ。端正な平屋で囲まれた中庭(水盤)です。そして部屋へご案内。『藤の間』です。最大120名の晩餐が可能な大空間。ある意味日本を代表する建築になるわけですので、使われる材料や設えは超々一級品ばかりです。正面を飾るのは、川島織物が製作した綴れ織り(つづれおり)で熟練の職人が8人がかりで7ヶ月かかったそうです。そして私が一番驚いたのがこちらの截金(きりかね)というもの。木製の扉に金箔を貼り付けています。1ミリにも満たない線状の金箔を細い筆と接着材を使って貼りつける、気の遠くなる作業。もともとは仏像などを装飾するためのもののようです。人間国宝の江利佐代子氏による遺作とのこと。6枚の木製扉に貼りつける作業は江利さんが一人で3年を費やしたそうです。次は『桐の間』。こちらは24名までの会食が可能な部屋。ここの見どころは・・・長さ12mの座卓。これだけ長い漆塗りはベテランの職人さんも経験はないようで、困難な仕事だったようです。そして天井材に使われている杉材。こちらも1枚12mの長さの中杢天井。棟梁が吉野の山で材木屋さんと一緒に選んだ吉野杉。万が一目利きが失敗すると会社がつぶれてしまうほどの損失をかかえるような一大仕事。まっすぐかつ木目がきれいな材であることを見抜かないといけません。そんな職人の矜持と覚悟がこの空間をつくっています。次回も京都迎賓館の続きです!