建築業界、”てんやわんや” です。
好景気に沸く “てんやわんや” ならウェルカム!なんですけどね、
自身ではいかんともしがたい “てんやわんや” はちょっとストレスが溜まりますね。。。
安倍政権誕生から久しく囁かれているアベノミクス効果。
消費者物価指数の上昇率が〇%の見通し、国内総生産の実質成長率が上昇傾向、
消費税増税の駆け込み需要に、2020年の東京五輪・パラリンピック需要が ・・・
と、言葉だけを見ると好景気に沸く日本経済。
特に建設・建築業界、「景気イイんですよねー?」 と聞かれることが多くなりました。
確かに景気は良いかも知れませんが、その反面、現場では別の問題が出てきます。
「THE 職人不足」 & 「THE 資材 及び 人件費の高騰」 です。
「 関西の建設労働者不足進む…東日本被災地に流出 」
関西の建設業界で、作業員らの人手不足が深刻化している。東日本大震災の復興需要などで、関西から被災地などに人材が流出しているためだ。大阪府内の鉄筋工など専門職の有効求人倍率は9倍超になっているといい、工事現場では、人手が少なくてすむ新工法の導入や賃上げなど対策に躍起だ。
国土交通省によると、2013年11月の近畿の建設技能労働者(6職種)の不足率(原数値)は前年同月比7・1ポイント増の7・1%。大阪府では同11月の鉄筋工らの有効求人倍率は9・27倍、現場監督は4・24倍と人手不足が進んでいる。被災地の復興需要に加え、景気好転で首都圏でのマンション開発などが相次いでいるためだ。
2020年に開かれる東京五輪・パラリンピックに向け、首都圏で建設需要はさらに高まる見通しで、「今後間違いなく人繰りが難しくなる」(ゼネコン大手)との声が多い。このため、ゼネコンなどは建設現場の省人化を進めている。大林組は、建設資材の運搬作業で、自動搬送システムを開発した。建設現場での手間を軽減できる部材の売り上げも大きく伸びているという。住宅用品メーカー「YKK AP」が販売する溶接工事が不要なビル用サッシの13年度の売り上げは前年度の2・5倍の50億円に達する見通しだ。
人材流出を食い止めるため、大手が下請けなどの関連会社に補助金を出して賃上げに乗り出すケースも目立ってきた。大和ハウス工業は、協力会社に入社した大工らの育成資金として、13年から1~2年間、月額7万5000円の支給を始めた。大林組も協力会社の職人らの日給に加算金を出して賃上げを補助している。
ただ、首都圏の職人の人件費は関西に比べて1~3割高いといい、「五輪需要が出てくれば、金を出しても人が集まらなくなる」(ゼネコン大手)と懸念を深めている。(2014年1月19日 読売新聞 東田陽介)
・・・ えっ!? これから更に!?(驚愕。
「足場屋さんがいないんですよー」
「基礎屋さんが立て込んでいてねー」
「地盤改良工事の重機が順番待ちでー」
「大工に転職しようかなー」
最近よく聞く現場の嘆きです。
何とか職人さんの手配ができても、資材も人件費も単価が急上昇。
既に工事が進んでいるお客様に対して、
「急に単価が上がったので費用の負担を・・・」 なんて素直に言える工務店さんの勇気はスゴい。
腕のいい職人さんほど取り合いになっていますので、
追加費用無しでやろうと思うと、この状況でも手の空いている職人さんに依頼せざるを得ません。
しかし想いの込められた家の完成を楽しみにしているお客様の気持ちを考えると。。。
腕のいい職人さんにお願いをするためには、1つ1つの現場単体で考えるのではなく、
次の現場、次の現場と間が抜けることなく長期的に仕事の依頼を続け、
職人さん達に安心してもらえる環境作りが急務です。
もちろんコスト面だけでなく、気持ち良く現場に携わってもらう為には何をすべきか、
段取り良く工程を進めてもらう為の準備、環境整備、そして特にやりがいの出る仕事。
お客様の喜ぶ顔が見える現場であれば、おのずと気持ちも入るはずです。
とにかく “安さ” を追求すると、見落としがちになってしまう問題かもしれません。
ということで、「駆け込み需要」 とか、やめて下さい。
今、駆け込んでもろくな事になりませんから(笑。
遅々として進まない、建築確認申請業務の牛歩戦術対策についてはいずれまた書きたいと思います。
しばらく現場の苦悩は続きそうです。
(原田)