凄いタイトルで始めてしまいました(汗。
思い立ったからには、やり切りたいと思います。
さて、皆様が気になるこの問題。
日々の業務の中で 「消費税が上がる前になんとかしなくっちゃ!」 とお思いの方が大勢だと感じていますが、
さて、それは正解なのでしょうか?
過去を振り返ってみますと、3%から現行の5%に引き上げられた平成9年の4月。
世の中全体で駆け込み需要が激しく、増税後の冷え切った不動産業界の日々は記憶に新しい。
ところが、増税前に家を建てた(買った)人は本当に得をしたのでしょうか?
需要と供給の原理は当然この時にも当てはまります。
増税前、人々が不動産屋さんやハウスメーカーに押し寄せていた時期、
当然、供給側は 「多少高くても間違いなく売れるわ」 と思わないでもない。(噂
普段の利益率を7%くらいで考えていたものを、14%取っても問題ない。(あくまでも噂
某ハウスメーカーに至っては利益率を2〇% → 3〇%に上げても問題ない。(これは事実!
その一方で、増税後に供給過多となった不動産住宅業界。
買いたいと思っていた人々の波は終了し、ちょっとやそっとのことでは市場は動きません。
「おいおい、利益を減らしてでも何とかしないと・・・。(やっぱり噂」 と、
大幅な値下げ合戦が勃発。
マンションの事例なんか、スゴかったですよ・・・。
さて、これからの話に戻しますと、5%→8%(平成26年4月~)の増税に伴い(平成27年10月~は10%)、
仮に4,000万円の物件ではどれくらいの費用UPになるか、さっと簡単に計算してみます。
マンションの場合、物件価格まるごと4,000万円に消費税が掛かりますので、
(前)4,000万×1.05=4,200万 (後)4,000万×1.08=4,320万 差額は120万円増。
戸建ての場合は土地には消費税が掛かりませんので、乱暴ですが仮に半分が土地代として、
(前)2,000万×1.05=2,100万 (後)2,000万×1.08=2,160万 差額は60万円増。
マンションで120万円程度、戸建てで60万円程度の増額幅であれば ・・・
クルマの値引き程度!? までとは言いませんが、利益率の数%、その会社の思惑次第ですよね。(想像
結論としては、数%の増税によるコストアップよりも、数千万の物件価格の需給バランスによる
価格変動の差の方が大きい(!?)、という事が言いたかった訳です。
また、ここまでは現金一括で購入される景気のいい方の場合の話。
我々大勢は住宅建築・購入の際に住宅ローンを利用します。
すると、「住宅ローン減税」 についても検討をする必要がでてきます。
これについては未だ国交省の案でしかなく、決定事項ではないので安易に結論付けができませんが、
増税前の平成25年入居の方の最大控除額が200万円(※注①)であることに対し、
増税後の平成26年入居の方の最大控除額は500万円案(※注②)となることを考えれば、
先述の 「需給バランスの価格変動の差」 以上に、増税後の方がお得になる可能性は大きい。
(もちろん、200万円や500万円を丸ごと全額控除できる人は稀ですが・・・。)
(※注① : 借入残高2,000万円の控除率1%、又は所得税額+住民税97,500円までが最大控除額)
(※注② : 借入残高5,000万円の控除率1%、所得税額+住民税からの控除額97,500円の引き上げ検討)
もちろん、物件や工事価格だけでなく、
様々な手数料や登記費用などの諸費用についても消費税増税によるコストUPはありますが、
諸費用合計400万円(仮)としても12万円の差でしかありません。
近頃、目にする雑誌や業界チラシなどを見ると、
「住宅ローン控除はまだ未定」、
「消費税増税で〇〇万円もコストアップ」、
「消費税率施行の半年前までに請負契約締結が必須なので・・・」
と、あたかも増税前の駆け込み需要を煽るような内容の記事をよく目にしますが、
まぁ確かに間違いではないんですけどね。
皆様には冷静な目と賢い判断をお願い申し上げます。(笑
自分はどんな家に住みたいのか、どんな生活を楽しみたいのか、
じっくり、焦らずに、夢を思い描いて下さい。
(原田)