融資関係や工事見積りの精査、土地の契約などについては、もう『ザウス』さんに丸投げで、ストレスなく家づくりが進められて助かりました

雑誌 ガレージのある家 vol.25 掲載 photo / 矢野 紀行  text / Kota-TAKEUCHI(竹内耕太)

大胆なスキップフロア構成の空間で、緑の木立と陽光に見守られながら、のびのびと暮らす 小曽根の ガレージハウス ・西宮

所在地/兵庫県西宮市
敷地面積/94.8m² (約28.7坪)
延床面積/102.7m² (約31.1坪)
ガレージ/18.24m2(約5.5坪)
愛車/2001年式エブリイ、1972年式モンキー


大胆なスキップフロア構成の空間で、緑の木立と陽光に見守られながら、ご夫妻と、まだ小さな3人のお子さんがのびのびと暮らすS邸。住宅プロデュース会社『ザウス』のサポートのもと、建築家との家づくりをみごとに成功させた。

雑誌 ガレージのある家 vol.25 掲載
photo / 矢野紀行  text / Kota-TAKEUCHI(竹内耕太)

緑と光と家族の気配をどこにいても感じられる ガレージハウス 。西宮市の住宅密集地でありながらも、神社の裏手に位置するためか、とても閑静な路地に建つS邸。南面には道路向かいに木立が広がるのみで、往来の人目を全く気にせず過ごせるという点が、そもそもこの土地を選んだ決め手だったとか。

社宅住まいだったご夫妻が家づくりを検討し始めたとき、一度は大手ハウスメーカーで決めかけたものの、どこか納得がいかない。理想の家を本気で考えると、ガレージもやはり欲しい。そんな折、インターネットで調べている中でたまたま巡りあったのが、ガレージハウスの実績が豊富な住宅プロデュース会社『ザウス』だった。

外観を見る。ガレージ脇のアプローチは吹き抜けになっていて、明るすぎず、暗すぎず。ガラス越しにガレージの様子を窺えるようにしたのはご主人の要望だ。
ガレージを見る。ご主人の趣味が最も凝縮されたスペース。

初めて家づくりに臨む施主にとっては、どう建てたらいいのか?そもそも何から手を付けていいのか?知らないことだらけだ。Sさんも、どうやって銀行に融資を申し込みに行けばいいのかすら分からない状態。そんな施主の側に立って、建築家選びから数多くの雑務までをアシストしてくれるのが、プロデュース会社というシステムである。

さっそくコンタクトを取って、思い描くライフスタイルと家のイメージをザウスのプロデューサーに伝えたSご夫妻。当時検討中の土地で理想のガレージハウスが可能なのか、建築家も交えてボリュームチェックをしてもらった。その土地は価格の条件が折り合わなかったものの、同様のボリュームの土地を『ザウス』に探してもらった結果、今のこの土地に出会うことができたのだった。

2階奥の寝室前から。上に子ども部屋、下にリビングとダイニングが見える。奥に細長い土地形状ながら、大胆なスキップ構成によって、視線の変化と開放感が実に心地よい。

「融資関係や工事見積りの精査、土地の契約などについては、もう『ザウス』さんに丸投げで、ストレスなく家づくりが進められて助かりました」とご主人は振り返る。

リビングから大きな窓越しに見えるのは、道向かいの神社の木立と、古く大きなクスノキ。ソファは一番お気に入りの角度で借景を楽しめる配置になっている。
「シンプルさ7割、ナチュラルさ3割」という奥さまのイメージを反映しているS邸。洗面スペースはタイルと木材の質感がほどよく調和した、温かく清潔感のある空間に。

設計を担当したのは建築家の藤原慎太郎さん。奥さまの望むテイストにマッチするという点で『ザウス』から紹介してもらい、他の建築家の作品アルバムも見比べながら決めたという。おもな要望は、プライバシーが完璧に守られるこの立地だからこそ、2階のリビングには大きな窓がほしいということと、スキップフロアで変化のある空間、そしてガレージがあること。

家の最上部に位置する子ども部屋。3人姉弟のうち上の女の子2人の部屋で、将来は間仕切ることも可能になっている。
ダイニングの脇に階段と廊下、奥に1レベル下ってキッチンと水周りが配される。キッチンに奥さまが立つと、ダイニングからリビング、デッキまで視線がしっかり届く。

藤原さんがそれに応えて腕をふるったS邸は、玄関から少し上がってキッチンに入り、さらに上がってダイニング、そしてリビングとウッドデッキを経て、古く大きなクスノキまで視線が通る構成となっている。外の庇の長さや角度まで緻密に計算され、冬はキッチンまで光が届き、夏は直射日光がベンチの位置までしか入ってこないよう、光の加減がコントロールされている。

変化に富むスキップ構成の屋内空間で、まだ小さな子どもたちがのびのびと動き回り、大きな窓に切り取られた風景が、四季折々の表情で暮らしに彩りを添えてくれる。施主とプロデューサーと建築家が、イメージをきめ細かく共有することで実現した、笑顔のたえないS邸である。

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