大工さんや建築家の人に直接言ったら角が立つようなことも、ザウスのプロデューサーさんを介したら上手く調整してもらえたのが良いですね。

ガレージハウス 外観
雑誌 ガレージのある家 vol.24 掲載 photo / 平野 和司 text / Kota-TAKEUCHI(竹内耕太)

ガレージハウス への施主の情熱をプロデュース会社がサポート。 八多のガレージハウス・神戸

所在地/兵庫県神戸市
敷地面積/232.22m2(約70.2坪)
延床面積/134.58m2(約40.7坪)
ガレージ/24.67m2(約12.0坪)
ビルトイン台数/2台
愛車/1989年式BMW M6(E24)、1978年式BMW 733i(E23)、2008年式ランチア・イプシロン、2009年式ダイハツ・エッセ


インパクトのあるデザインの ガレージハウス を建てたいと考えていたFさん。建築家との家づくりを成功させるために選んだパートナーが、ガレージのある家の実績が豊富な住宅プロデュース会社『ザウス』である。建築家3名によるコンペを経て、期待以上のスタイリッシュな住まいが実現した。

雑誌 ガレージのある家 vol.24 掲載
photo / 平野 和司 text / Kota-TAKEUCHI(竹内耕太)

コンペシステムを活用し理想のデザインハウスを追求。
敷地間口およそ27m。その間口に合わせた広々とインパクトあるファサードのF邸は、神戸市内の新興住宅地に建つ。デザイン上も動線の面でも母屋と連続性を保つ別棟ガレージは、愛車を雨風から守り、メンテ作業も可能なBMW M6のための特等席。ガレージと玄関に挟まれたゆとりあるピロティにもBMW733iが鎮座し、敷地内にはさらに数台が駐車可能だ。

RC造ならではのデザインが印象的な広々としたファサード。土地間口は約27m。ビルトインで2台分のほか、さらに敷地内に2~3台を余裕で駐車できる。

水平方向のスケール感はまさに「邸宅」といった趣きだが、実は敷地が三角形となっているため、面積は約70坪と、郊外型住宅の標準的なサイズにおさまっている。変形地を活かして、予算内でどこまで理想のガレージハウスを実現できるか? それがFさんの家づくりの要であった。

ガレージは一番の愛車を保管しイジるための空間。北側の壁面には擦りガラスを採用し、昼ならライトなしでも十分な明るさを確保している。

「ありがちな家にはしたくなかったんです。土地もあえて、四角形じゃない面白い形でやや広め、という条件で探していました」と語る施主のFさんは、以前にはコンクリート打ち放しのデザイナーズマンションに住んでいたほどで、建築デザインには強い関心があった。

愛車のためのガレージのある家を検討し始めた頃、小誌でたまたま目にして「かっこええなあ」と思ったのが、ガレージハウスの実績が豊富な住宅プロデュース会社『ザウス』による実例で、建築家・田中いちろうさんの設計によるものだった。

ガレージ出入口にはレムコ製オーバーヘッドドア『メタルフラットドア』を採用。シンプルでシャープな外観が、F邸のモダンなデザインと調和している。

プロデュース会社とは、建築家や施工会社との交渉や予算管理などあらゆる面で家づくりをサポートしてくれる、いわば施主の代理人。さっそく『ザウス』に話を聞きに行ってみると、土地探しからアドバイスしてくれるとのことで、Fさん自身がいくつかに絞りこんだ土地の候補を見せ、どれがガレージハウスに向いているのかを相談。大きな間口で面白い建物ができそうだと、今の土地に決めたのだった。

ガレージの奥には棚を設けてメンテナンス用品の収納やオートモビリアのディスプレイに。夜になるとレールライトが愛車をライトアップするように計算されている。ピロティからガレージへの出入口を設けているため、別棟であっても雨の日も塗れることなく母屋とガレージを行き来できる。ガレージ内には水道ももちろん完備。

『ザウス』では登録建築家3名によるコンペシステムを利用することができ、気持ちの中では田中さんに決まりかけていたFさんも「せっかくだから色々な可能性を見てみたい」とやってみることに。感性が合いそうな建築家をチョイスしてコンペを行った結果、最初のインスピレーションで「これや!」と決めたのは田中さんだったが、他のプランもかなり良く、できれば3軒建てたいくらいだったとか。

音楽ホールをイメージした天井のデザインは、音楽が好きなFご夫妻のための田中さんの提案。ちなみに奥のレーシングタイヤは愛犬のオモチャ置き場となっている。天井の最高部で約3.5mの高さという広々としたLDKが暮らしの中心。コンクリート打ち放しの生活感のない空間が当初からの要望だった。床はブラックウォールナット材

プランが決まってからも『ザウス』プロデューサーを交え小まめに打ち合わせを行い、予算のコントロールをしっかりとしてもらえたのも助かったという。「大工さんや建築家の人に直接言ったら角が立つようなことも、さんを介したら上手く調整してもらえたのが良いですね」。

造作したキッチンの形状は、実はF邸の2階部分をひっくり返したデザインとなっている。

当初からの要望どおりコンクリート打ち放しで、デザインに重点を置いた住まいは居住面積を最小限に抑えながらも、暮らしの中心となるLDKは天井の高い解放感のある空間に。

主寝室はコンクリート打ち放しのクールな風合いを味わえる空間に。
1階の玄関ホールは鉄骨ストリップ階段を採用。視線が抜け開放感がある。右手に位置するピロティの愛車の様子を窺うことも可能。

生活感を排したスタイリッシュなF邸には、仲間もクルマで気楽に遊びにやってくる。ただし余裕ある駐車スペースは、増車の誘惑とつねに隣り合わせだとか……。

2階にあるトイレは奥に細長い形状だが、大きな擦りガラスの間口がある。

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