特徴
15坪の狭小地に実現するこだわりガレージハウス!
真っ白なガルバリウム鋼板が貼られた外観が、シャープかつスタイリッシュなたたずまい。2007年8月に完成したK邸は、最寄り駅から長い商店街を抜けた住宅街にあります。
それまで郊外のマンションにお住まいだったK様は、マンションの近くにレンタルガレージを借りて愛車を収めていたそうです。しかし、その不便さと愛車と一緒に暮らすことを夢見て、建築家との「ガレージハウス」づくりをスタートされました。
機能性あふれるガレージ空間
3人の建築家による「設計コンペ」を受け、K様は「ガレージに2つの出入り口が設けられていること」「建物がシンプルであること」「屋上があること」「コストが見合うこと」から、建築家・諸我(もろが)尚朗氏を住まいづくりのパートナーに選ばれました。中でも、ガレージへのこだわりはひとしおです。
ご主人は大のBMWファン。家づくりを考えはじめたときは、当時の愛車である「BMW・M3」がかっこよくキマる家にしたかったのだそうです。ところが、お子様の誕生にともない、これまでのスポーツカータイプから一転、4ドアのBMWに買い替えられたのだとか。
「打合せを進めていく中で、クルマ2台分の駐車スペースから、クルマ1台とバイクのスペースを確保することに変更しました。新しい家の近所には商店街が充実しているので、クルマに乗る機会は減りま したね。代わりに今は、昨年購入したばかりのバイク(ハーレーダビットソン)でツーリングを楽しんでい ます」。
「主人は気づくとここにいるみたいです。ガレージは2階のリビングより寒いのに(笑)」とは奥様のお言葉。念願のガレージを手に入れ、K様は愛車たちに夢中のようです。
このガレージには、3階建てにするために、構造上必要な半間(幅約90cm)の耐力壁が等間隔に並んでいます。建築家はこの壁の内側を、造りつけの収納棚や書斎スペースとして利用できる設計を施しました。
「これだけの収納を確保してもらえたのはうれしいですね。倉庫のような感覚で使っています」。代わりにこれまでクルマやバイクの保管に気を使っていたK様も、このガレージによって安心して趣味を満喫しておられます。まるで、ガレージそのものがK様の書斎のようです。
「これからは、壁にモーターショーや通販で買ったガレージプレートを取り付けたいと思っているんですよ」と、ひとつずつコレクションが増えていくのが楽しくて仕方ないご様子。このガレージは、これからもK様の手でカスタマイズされていくことでしょう。
ご夫婦のご要望だった清潔感のある「白」で統一されたリビングは、天窓と吹き抜けの窓から日差しが降り注ぎ、明るさと暖かさに満ちています。
「リビングと吹き抜けの窓は、構造上必要な壁があるため、本来なら取り付けられないものでした。そこで筋交いを付け、窓を外に出して設けることで解決していただきました」。
さらに、室内にはご家族の将来に備えた工夫ものぞきます。リビング上部の吹抜けにむき出しとなった梁(はり)は、将来、お子様が大きくなったときに子ども部屋として容易に増築できるようになっているのです。ライフスタイルの変化に合わせ、柔軟にカタチを変えられる住まいは建築家の設計ならではの醍醐味。
「お子様がまだ小さい今は、この梁をネコが「キャットウォーク」がわりにして歩き回っています。 「ネコが一番喜んでいるかもしれませんね(笑)。以前の家では、ネコがカーテンレールに登ってカーテンをボロボロにしていましたが、今は運動できるところがたくさんあるので、いたずらもなくなりました」。
第二のリビング・ダイニング!
屋上は、リビングに日差しをもたらす”トップライト(天窓)”がアクセントになった開放的な空間です。
「トップライトのある屋上は諸我さんにお願いしようという決め手にもなりました」。
なんと、このトップライトはテーブルとしても利用できるのだそうです。「家族で食事を楽しむことはもちろん、友人を招いてパーティを開くこともできます。今年の夏は、この屋上で娘をプールに入れたいですね」と声を弾ませます。
第二のリビング・ダイニングとして、この屋上がご家族の生活をさらに豊かなものにしていきます。
念願のガレージハウスづくりを実現されて
屋上付きの3階建てという”タテ”に広がる設計で、K様のご要望を見事にかなえた建築家。
「限られた土地の中、使い勝手のいい家になるよういろいろと提案していただきました。もちろん、ザウスには土地探しからサポートしていただいて、建物が完成するまで細やかな対応をしてくださいました」。
奥様にK様の趣味について尋ねたところ、「私は運転しませんが、主人と一緒にお店にいって見たりすることは好きなんです」とのこと。K様のご趣味を理解され、共に楽しんでいらっしゃる奥様に、K様も「感謝しています」と微笑まれます。
当初は「夫婦と愛車とネコのための家」としてはじまった住まいづくり。お子様が誕生し、今では「夫婦と子どもと愛車とネコのための家」となりました。家族がそれぞれ成長するように、K邸はこれからもカスタマイズされていくことでしょう。